腰の痛みの症状でお悩みの方
腰痛や以下のような症状を感じたら、悪化を防ぐために早めに当院へご相談ください。症状を放置して悪化させると、治療に時間がかかることがあります。腰痛は、腰の左右のどちらかに生じたり、足に痛みやしびれが広がる場合もあります。
当院では、腰の違和感や痛みが一時的なものか、慢性的なものかをしっかりと診断し、患者様に合った最適な治療方針をご提案します。
- 腰が重だるい
- 腰が激痛で動けない
- 腰の曲げ伸ばしで痛くなる
- 腰がすぐ重だるくなる
- 腰に急激な痛みがきた
- 背中から腰付近の痛みが強く感じる
- 腰の他に足にも痛み・痺れを感じる
- 痛み・痺れで歩行が難しい
-
長時間の歩行でお尻から足付近に痛み・痺れがある
-
寝返りをすると目が覚めるほど痛くなる
など
よくある腰の疾患
ぎっくり腰(急性腰痛症)
「ぎっくり腰」は、医学的には急性腰痛症や腰椎捻挫と呼ばれるもので、重い物を持ち上げたり腰をひねったりした際に、立てないほどの激しい痛みが出る症状です。痛みが強い急性期には、まず安静にすることが最も重要です。痛みが和らいできたら、症状の改善や再発防止を目的に、物理療法や運動療法を行います。
また、再発を防ぐには、普段から中腰の姿勢を避けたり、ストレッチを習慣にするなど、生活習慣の見直しが必要です。当院では、生活習慣を改善するための具体的なアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。
治療方法
ぎっくり腰の治療は、コルセットで腰を安静に保ちながら、内服薬や湿布で炎症を抑える保存療法が基本です。痛みが和らいだら、無理のない範囲で日常生活に戻ることが回復の近道です。治癒後は腹筋や体幹を鍛え、腰を支える筋力をつけることが再発防止につながります。
腰部脊柱管狭窄症
ご高齢の方に多く見られる疾患です。腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状は、歩いたり立っている時に強い痛みを感じることです。特に、台所仕事など長時間の立ちっぱなしが辛く、腰を曲げたり座って休むと症状が和らぐことがあります。これは、神経の圧迫によって引き起こされる痛みやしびれが原因です。腰椎の脊柱管が狭くなることで、加齢や椎間板の変性が進み、神経が圧迫されるため、足に痛みやしびれ、力が入らないなどの症状が現れます。さらに、排尿や排便の調整が難しくなることもあります。早期に治療を開始することが重要です。
治療方法
一般的な消炎鎮痛剤の他に、神経の痛みにアプローチする神経障害性疼痛治療薬・神経の血流改善にプロスタンジン製剤・漢方薬を用いて内服治療を行います。この他に症状に合わせてリハビリも行います。これらの治療を行っても痛みが改善されない場合、神経ブロック注射を行います。症状が改善されない場合や、運動麻痺や排尿・排便障害がある場合には、手術が適応となります。
腰椎椎間板ヘルニア
加齢や動作の繰り返しにより、腰の椎間板が変性し、内部の髄核が飛び出すことで、神経を圧迫して、腰の痛みや足のしびれを引き起こします。初期段階では足に軽い痛みやしびれが生じますが、症状が進行すると、足に力が入らなくなり、膀胱や直腸の機能に障害が出ることもあります。早期に治療を開始することが重要です。
治療方法
神経障害性疼痛に対しては、消炎鎮痛剤・神経障害性疼痛治療薬などの薬物療法を行います。日頃から腰を曲げる・ひねるなどの動作は控えます。リハビリ療法では、腰部の牽引を行い、痛みが改善しない場合には局所麻酔薬・ステロイド薬を用いた神経ブロック注射を行います。このような治療を行っても痛みが改善しない場合や、運動麻痺・膀胱直腸障害が出ている場合は手術適応となります。
腰椎分離症
初期の段階では、腰を反らしたときに狭い範囲に限った腰痛を感じることがあります。特にスポーツ中やスポーツ直後に痛みが強くなることが特徴です。症状が進行すると、腰痛に加えて足に痛みやしびれが現れることがあります。また、長時間座り続けたり立ち続けたりすることでも痛みが増すことがあり、進行すると足のしびれや痛みがさらに悪化することがあります。腰椎の後ろ側には「椎弓」という部分がありますが、この部分が分離することで痛みが生じます。
主な原因としては、成長期における疲労骨折が挙げられます。特に成長期のスポーツ選手に多く見られ、腰椎分離症は成人の約6%に発症すると言われています。腰を反らす動作やジャンプからの着地など、椎弓に繰り返し力がかかることが原因で疲労骨折が起こります。もしこの疲労骨折を放置すると、椎弓が完全に分離し、骨同士が繋がらなくなり(偽関節)、不安定な状態に陥ります。この状態では自然治癒が難しく、治療が必要です。さらに、分離した部分に骨棘ができると、神経が圧迫されて神経痛が引き起こされることがあります。また、腰椎が不安定になり、前方に滑ってしまう「分離すべり症」に移行することもあります。これにより、さらに強い神経痛を引き起こすことがあります。
発症初期の分離症は、レントゲンで確認できないことが多いため、疑われる場合はMRIやCT検査が可能な連携医療機関をご紹介いたします。
治療方法
症状の程度に応じて異なります。軽度の場合、安静が最も重要です。特に痛みが強い場合は、コルセットや腰のサポーターを使って腰を安定させ、痛みを軽減します。また、炎症を抑えるために痛み止めや湿布が処方されることがあります。運動療法としては、筋力強化やストレッチを行い、腰への負担を減らすことが推奨されます。スポーツや激しい動きは避け、しばらく休養を取ることが重要です。
重症の場合や保存療法で効果が見られない場合は、手術が検討されることがあります。
仙腸関節障害
仙腸関節は、骨盤の中で、腰の骨(仙骨)と骨盤の両側の骨(腸骨)を繋いでいる部分です。仙腸関節はほとんど動かないと思われていますが、少しだけ動いています。このわずかな動きが、体のバランスを保つためにとても重要です。仙腸関節は、体幹と足をつなぐ重要な役割を担っており、歩いたり、走ったり、座ったりする際の衝撃を吸収しています。しかし、普段の生活やスポーツ、出産などで、腰をひねったり、足を大きく開いたりといった動きをすると、この部分に過剰な負荷がかかり、腰や足のつけ根に痛みを生じます。
特に女性の場合、出産によって仙腸関節の周りの靱帯が緩んでしまい、その状態が続くことで痛みを感じることがあります。また、ぎっくり腰は、この関節の捻挫が原因で起こることがあり、放っておくと慢性腰痛に進行することもあります。
さらに、仙腸関節障害は、腰の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、他の腰の病気と似た症状を引き起こすため、誤って診断されることもあります。そのため、痛みを感じたら早めにご相談ください。
治療方法
まず、腰の安静を図り、消炎鎮痛剤などの薬物療法、骨盤ベルトやコルセットを用いた治療を行います。次に、リハビリ療法として、股関節周辺の筋肉をほぐすためのストレッチや、仙腸関節の安定性を高める筋肉トレーニングを行います。症状の改善が見られない場合、仙腸関節ブロック注射(後仙腸靱帯内注射)を行います。後仙腸靱帯内注射は比較的容易かつ短時間で注射を行うことができます。