肩の症状でお悩みの方
当院では肩の症状や疾患について、整形外科専門医が丁寧に診療を行っております。
以下のような肩の症状でお困りの方は、お気軽に当院にご相談ください。
- ひどい肩こりがなかなか改善しない
- 安静時も肩・腕に痛みがある
- 肩関節の動作がしづらい
- 腕が上げづらい
- 肩から背中にかけて痛みが出る
- 急な肩の動きで痛みが出る
- 肩がすぐに脱臼する
- 肩の痛みが原因で夜中目を覚ます
- 高い所の物を取ることができない
- 洗濯物を干すことができない
- 髪の毛を洗うことが難しい
- 洋服の脱ぎ着で肩に痛みが出る
など
よくある肩の疾患
肩こり(頚肩腕症候群)
通称、肩こりと呼ばれる頚骨腕症候群は、筋肉への負担がかかることによって首・肩・前腕・上腕・手指に筋肉の痛みや痺れ・筋肉のコリなどの症状が出る病気の総称です。
- 長時間同じ姿勢を保つことによる、筋肉疲労や悪い姿勢
- 長時間のデスクワーク
- パソコンでの入力作業が多い
- 心因的ストレス
などが原因とされています。
この他にも多くの原因が存在し、筋肉・筋膜が原因で発症する痛みや頸椎の変性、神経・椎間板などが原因で痛みが生じます。
治療方法
まず、日頃の姿勢・動作の改善や、牽引治療・干渉波・温熱療法などのリハビリテーション治療、消炎鎮痛剤を用いた薬物療法を行います。慢性化した痛みには、ハイドロリリース・トリガーポイント注射が有効です。
四十肩・五十肩
(肩関節周囲炎)
50代以降の方に多く発症する病気です。加齢により、骨・軟骨・靱帯・腱が変性し、関節周辺の組織に炎症が起きることが発症の原因とされています。肩を動かすと痛みが生じ、痛みにより動かさなくなると肩の動きが鈍り、痛みが増して悪循環に繋がります。髪型のセットや着替えが困難になり、夜中にズキズキと痛むこともあります。肩関節の動きを良くするための肩峰下滑液包や、関節を覆っている関節包が硬くなってしまうと、肩の動きがさらに悪くなります。
治療方法
痛みは3つの段階に分かれます。最初は強い痛みが起こる「炎症期」、次に肩の動きが悪くなる「拘縮期」、最後に痛みや肩のこわばりが改善される「回復期」です。これらの段階を経て、自然に治癒することもあります。治るまでの期間には個人差がありますが、一般的には1~2年ほどで改善することがほとんどです。ただし、放置することで日常生活に支障をきたし、関節の癒着により動作が鈍くなります。消炎鎮痛剤や注射などの薬物療法やリハビリを行っても、症状が緩和されない場合、神経ブロック注射や手術が検討されます。
腱板断裂
腱板は肩の動きを助ける筋肉の集まりで、肩を動かすときにクッションの役割を果たします。その腱板に裂け目ができ、痛みが生じる病気です。ケガによるものと、はっきりした原因がわからないものがあります。ケガの場合は、裂け目が完全に切れてしまう「完全断裂」と、部分的に裂ける「不全断裂」の2種類があります。野球の投手など若い年齢の方でも不全断裂を起こすことがあります。はっきりした原因がわからない場合は、40代以上、特に60代以上の男性に多く見られ、加齢や日常生活の動作で、肩の筋肉を支える腱板に裂け目ができるとされています。
治療方法
ケガが原因となって断裂が起きた場合は、約1~2週間安静とし、消炎鎮痛剤や注射による薬物療法・リハビリ療法を行います。約7割の方は改善が見られます。また、腱板断裂の有無を確認し、痛みが強い場合には局所麻酔薬や炎症を抑える薬を注射し、痛みを早急に取り除くようにします。腱板の機能を回復させるため、リハビリも併せて行います。これらの治療を行っても改善が見られない場合、手術が検討されます。
上腕二頭筋長頭炎
上腕二頭筋は力こぶで知られている筋肉で、前腕(腕の肘から手首まで)の骨についています。この筋肉は2つに分かれており、そのうちの1つが肩甲骨についています。この部分を「長頭」と呼び、上腕二頭筋の腱が肩の骨にある溝を通ることで肩や肘を動かします。しかし、腱が溝で擦れることにより炎症が起こり、痛みが生じます。主に、肩関節の使い過ぎが原因で、野球やテニス、バレーなどのスポーツをする方に多くみられます。
治療方法
肩の安静が第一です。治療には薬物療法・リハビリ・腱鞘内注射を行います。それでも痛みが強く出る場合、局所麻酔剤や炎症を抑える薬を注射します。
石灰沈着性腱板炎
肩を動かしたときに、突然激しい痛みが生じます。夜に痛みが強くなるのも特徴的です。特に40〜50歳代の女性に多く見られます。この痛みは、肩の筋肉を支える腱板の中にカルシウムの結晶がたまって炎症を引き起こし、強い痛みを感じさせるためです。最初はミルクのように柔らかい状態ですが、時間が経つと硬くなり、カルシウムのかたまりが膨らむと痛みが増し、腱板が破れそうになると激しい痛みが起こります。
治療方法
まず、単純X線(レントゲン)にて肩にカルシウムのかたまりがあるかどうかを確認します。激しい痛みがある場合は、腱板に注射をして、固まったカルシウムを壊して、ミルク状になったカルシウムを吸い取ります。局所麻酔薬や炎症を抑える薬を注射し痛みが落ち着いたら、温熱療法や肩を動かしやすくするためのリハビリを行います。激しい痛みが続いたり、再発する場合は、手術が検討されます。